幼少時代から絵画の才能が開花していた。
出品する作品は必ず賞を受賞してきた。
そんな彼が、本気で水墨画に出合ったのは今から3年前のこと、
まだ始めたばかりの彼の水墨画に
周囲は興味を示すことはなかった。
しかし、そんな周囲とは裏腹に、新しい世界との出会いを
彼は純粋に喜んでいたという。
描き始めて3ヶ月たったある日僕は彼の作業場に呼ばれた。
周辺が墨だらけの作業場に入ると、そこには今までには目にしたことのない
新しい絵画が置かれていた。
これ、水墨画?と正直問いかけるべきか悩むほどだった。
その作品を全国展覧会に出品すると聞いたときの驚きを今でも僕は覚えている。
彼からの連絡が入ったのは、部屋に行った日から2ヶ月は経っていただろうか。
受賞しました!という一本の電話が入ったとき信じられない反面、
人事とは思えぬほどの喜びで一杯だった。
彼は遣って退けてしまったのだ。
入選することすら、なかなか難しいと言われている水墨画の世界で
初めて描いた作品が奨励賞を受賞したのだ。
ビギナーズラックなんて言葉で片付ける人もいたが、
その後出品した作品も、入選するという異例の快挙を成し遂げた。
日本に留まらず、現在ではスペインやパリなどで行われる世界展覧会に向け
作品と向かい合っての生活が続いているという。
今後の彼に期待をしているのは僕だけではなく、昨年行われた初の個展で
彼の水墨画を目にした者ならこの気持ちが理解できるのではないだろうか?
正直、彼の頭の中を見られるものなら見てみたい。
並外れた発想の豊かさや、想像力の奥行きは誰にも量ることができないからである。
また必ず何か、僕たちを驚かすことをしてくれる日も近いのではないだろうか。
益々磨きがかかった彼の水墨画を手にすることができる機会を与えてくれた、彼の心意気に
僕は敬意を称したい。
彼の水墨画が世の中に認められる日も、そう遠くないことを確信している。
手にした者なら、僕の気持ちが理解していただけるだろう。
「見る側に創造させたい」と言った彼の言葉を、僕たちは身をもって体験できる第一人者なのです。
 
愛知賢人



奨励賞受賞作品『怒火』
東海テレビ墨画展『現代・墨への挑戦2000』
奨励賞受賞
作品
『怒火』



入選受賞作品『会』

上野の森美術館『第14回・日本の自然を描く展』
入選受賞作品
『会』




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